幼妻日記 -194ページ目

映画料金

ブッシュ君が、アカデミー賞の反対のラズベリー賞で主演男優賞を獲ったらしい。

「華氏911」は夫婦にとっても記憶に残る映画。

この映画を上映中に観ることができたのもよかったけど、私達夫婦にとっては、一人1000円で観れたこともよかった。

だいたい日本の映画料金は高すぎる。

「夫婦のうち、どちらかが50歳以上の場合、一人千円」という制度を利用しようと、観たい映画と暇ができるのを待っていたのだ。

事前に映画館に電話で問い合わせた時は、「年齢のわかる物をお持ち下さい」との事だったが、これまで度々夫婦と思われないことで予想外の状況に陥った経験のある私達の場合は「夫婦とわかる物」もお持ちしたほうがよいと思い、妻の免許証と保険証まで準備していた。

にもかかわらず、受付でおねーさんが提示を求めたのはホントに旦那様の年齢を証明する物のみ

それだけですぐに2000円で2枚チケットがきた。

なーんだ。

これなら、
「50過ぎたお父さんと年頃の娘」でも
「シルバー映画研究サークルの仲間の二人」でも
「社長と不倫相手の秘書のおねーさん」でもいいわけだ。

もっというなら、その日に映画館に一人で来ている50過ぎの異性に近づきメリットを共有することだって可能ってわけね。

みなさんも機会があれば「(「夫婦」というのだから今のところ異性に限るであろう)二人で2000円」にトライしてみてはどうだろう。

DVD3:普通の世界

先日夫婦は、奥さんもご主人も30代前半という知人夫婦のお宅におじゃました。

「ほら、これが世の中の若夫婦の愛の巣よ」と興奮気味の妻。
「やっぱりモダンだわ~」(語彙がかなり危ない)

家具もインテリアも明るい色で統一され、(これから未来にむけて歩んでいくのね)って感じ。

日々、車椅子だの尿瓶だのって話に終始する私達とは違う、何か、こう、エネルギーがみなぎってるわ。

訪問の目的は我が家のパソコンがDVD対応ではないため、
幼妻日記DVDシリーズ1」で登場した例のディスクをそのご夫婦宅で観せてもらうため。

ずっと求めていた懐かしい街並みとドイツ語の響き、
やっぱりモンシロチョウの交尾よりずっとおもしろい

よかったよかった、これでドイツのファミリーに報告ができる。

そうそう、映画好きのその奥さんMちゃんはたくさんDVDをお持ちで。
うちはプレーヤーは買ったけど、観れたのは結局「モンシロチョウの交尾」類だけですから。

『HIDALGO』と『ブラック・ホーク・ダウン』という夫婦が全く聞いたこともないタイトルのDVDをお借りした。

さて数日後、時間ができたので昼間一人でDVDを観ようと思った妻。

ここで問題発生!

始めは他の映画の宣伝が5つくらい続いたので、

「やっぱりDVDって便利よねー」

と、どんどん「次」ボタンを押してチャプターをすすめていった。

そのうち、「壮大な音楽」が始まり、どうやら映画のハイライトらしきいくつかの場面が画面中心に映し出される。周囲は炎で燃えさかっていて、

「おおー、いよいよ始まるんだわ」

ジッと待つ。

(長いなー、前奏)

3分、いや 5分くらいたった頃、

「中央のハイライトは、同じ画面が繰り返されてる」と気が付く。

「次」ボタンを押すが、

「このディスクではただ今その操作は禁止されています」とのこと。

(下に出ている提供会社の名前を覚えさせるためかしら、先に進めないこともあるんだー)

(うーん資本主義の策略か)などと勝手に解釈。



(でも、いつになったら本編になるんだろう?

部屋の片づけなどをしながらその後10分以上同じ画面を流していたが、妻の出した結論は

「このディスク、調子悪いみたい」

で、その持ち主に出したメールが以下。


> HIDALGOって「再生」してしばらくすると、他の映画の宣伝が終わった後、中心に
> 馬にのった人が戦う姿で音楽が流れるシーンが途中で一瞬止まって、また同じ音楽映像が永遠にくり返されて全然先に進みませーん
> チャプターすすめようとしても「このディスクではただ今その操作は禁止されています」だって。ディスクの裏がとっても汚れていることと関係ある?


もちろん、持ち主Mちゃんは、大慌てで電話をくれて、DVDとは何ぞやを説明してくれた。

妻が「提供会社」だと思いこんで無視していたのは、ハイライトの下の「プレイ・特典メニュー・チャプターメニュー・音声・字幕」等の文字で、今考えると「メニュー」ってんだから会社名ではないはず。しかし改めてよく読んでいなかった上に、株をやっている関係で、「普通は考えられない会社名でも、現実には多いにあり得る」というスタンスなものだから益々思いこみは激しく・・・。

その文字の先頭についている地図記号でいう保健所のマークみたいなのを移動させて「決定」するなんて、知らなかった。

だって、モンシロチョウのディスクの時は最初に「メニュー画面」が勝手に出てきて、その中で決定ボタン押すんだもん・・・

初めて世間一般に出回っている「普通の」DVDという物を経験した。
いやー、何事も勉強だ。

事件

ある夜のことでした。遅い夕食を終えて、二人で一緒に後片づけをしているとき、窓の外で、車のクラクションが鳴りはじめました。

夫婦の住居は片側2車線の国道に面するファミレスの後ろですが、窓が2重サッシになっているため、日頃騒音に悩まされることはありません。

しかし、その日のクラクションは別でした。単発の規則的な音が長く続くのです。

「何なのよ、うるさいわね」妻は窓を開けバルコニーに出ました。

眼下にはファミレスの後ろにかなり広めな駐車場。その真ん中に駐車してある四輪駆動車のハザードが点滅しクラクションが鳴っています。

妻が「あー、あの車だ」と確認するのと同時くらいにその音は鳴りやみました。
しかし鳴りやんだ車内は真っ暗で人の気配もないその車がクラクションを使用した目的がまったく不明で納得がいかない妻は他の部屋から覗いていた人々が退散した後もその車を見つめ続けていました、(何だったんだろう?)と考えながら・・・。

その時、駐車場の出口付近の道路に、少し前進したりバックしたりと不思議な動きをとる一台の車が見えました。そして、一人の男が車から降り、駐車場内の例の四輪駆動車にブラブラと近づいていきます。

(あー、あれが持ち主か、ということは警報装置か何か作動したかな)と思ったその瞬間、男は片手で後部座席の硝子を叩き割り、中からバックらしき物を持ち出すではあ~りませんか

それまで、車と男性を一つのセットとして認識しようとしていた妻の脳は一瞬たじろぎ、しかし不思議なもので、こういうときでも(女の「キャー」じゃ役に立たない)とどこかで判断したのでしょう、急きょ低い男声で

「なんしよっとか、こっらあああああ(何やってんだよ、このやろー)」
と叫び、加えて後難を避けたいので、目撃したのがどの部屋の住人か知られてはならぬという防衛心から、犯人が振り返った瞬間はしゃがみ込んで身を隠したのでありました。

うーん、これじゃ役に立っていない。
だってこんな所から犯人確保は無理です。速やかに110番で状況を説明するのみ。

その後、呑気に食事を終えた車の持ち主が、やっと慌てふためきお巡りさんを呼
んでいる姿を上から眺めながら考えました・・・

あの瞬間は、なぜわざわざ警報装置が作動し車に、車上荒らしをするのか理解できなかったけれど、おそらく、犯人は一度本番前に車に近づき警報装置を作動させ、それが2度目の作動までには時間がかかることを把握した上で、鳴り終わった車を襲った。

それにしても、平日とはいえ、まだ9時半、国道沿いの暗くもないファミレスの、周囲2面を高層マンション(バルコニー)に囲まれている駐車場で散々警報装置なった直後にやるかね~。

きょうび、いかにど素人が軽率に犯罪に手を染めているかを思い知らされた日でした。


翌日から妻は頻繁にバルコニーから下を覗くようになります。
なぜなら、そのファミレスに悪い評判がたってつぶれでもして、更地になって新しい他のマンションでも建っちゃった日には、夫婦のせっかくの南向きが台無しだから。

さて、「自主パトロール」を初めてなんと2日目。就寝前に生ゴミを持ってバルコニーにでました。

まー、またいるではありませんか。男が4台とまった車の一台の後部座席を空けようとしてロックされていることを確かめました。隣の車は車内を覗くだけ。次の車に手をかけようとした瞬間、妻はまた、しゃがんで

「また、車上荒らしーーー!!」と叫びました(なんで、私はいつも叫んでばっかりなのだろう)と思いながら。

入れ替わって旦那様が下を覗いた時にはすでに逃走したあと。

うーん、つくづく嫌な世の中だわっ、とベットに入ってからもなかなか気になって眠れない経験をした、まさにその翌日のことです。

時は深夜1時40分、妻の携帯電話が鳴りました。着信表示は東京都在住友人のNちゃん。妻は何の緊急事態かと、ぶったまげて電話にでます。

「もしもし」
「・・・」
「もしもしっ」
「・・・」

物音は聞こえるものの、応答はありません。この間おそらく2分ほど、しかしこのところ事件がらみで警戒心の増した妻の頭には、いろーーんな物騒な状況がめぐりめぐります。

「どうしたの?」と聞く旦那様に「でないよー」「声がきこえないよー」と言うと、

「え? 何かあってるんじゃないの?」

「誘拐とか、監禁とか・・・しゃべれない状況じゃないの??」

「カタカタッ、ガチャガチャ・・・」音は聞こえます、でも声がしません。

「もしもしーーーー!!!」

妻はどうしようもなく一端電話を切り、かけ直そうとしますが、旦那様は「もし、監禁でもされて、こっそりボタンだけおしたんだったら、電話鳴らさないほうがいいかも・・・」

「うえーーーーっ!」じゃ、どうする???どうする???110番?
部屋に押し入られた強盗に縛りあげれているNちゃんの姿が浮かびました。

あまり回らない頭と震える手で、自宅の電話にかけてみます。

今思い出すと呼び出し音の間あんなにドキドキしたのは10代の頃の恋愛くらいでしょう。

結局、自宅は留守番電話になっていたため、妻は思いきって携帯にかけてみました。

ながーく感じたルルルの後、聞こえたのは

「もしもしー、どうしたー?」というごくフツーのN様のお声。

聞けば、リュックに入れた携帯の単なる誤作動で、ご本人は元気に自転車をこいでおられたとのこと。

いやー、ご無事でなによりです。


でも、夜中に一人(かどうかは聞いていないけど)で外にいる時はくれぐれも気をつけてね、みなさんも。

鳩さんのオメメ

今日、妻はいつもいく「食品館」ではなく、車で15分ほどかかるところにある大型スーパーに行ってきた。

知らなかったが、そのスーパーはどうやら今日は「わくわくデー」という「安売り」の日らしい。

午後3時半という時間帯に、ものすごい混みようで、駐車場では2人の警備員が忙しそうに入ってくる車を誘導していた。ひっきりなしに車が出入りし、ほぼ満車だっだ。

指示されたスペースに車を停め、買い物をすませた妻が愛車クロちゃんのもとに近づいていくと、警備員が何やら大声をだしてる。

「ストップ!ストップ!あたるって、あたるって」

駆け寄って見ると、クロちゃんの隣一台分の「軽」と表示してあるスペースに、日焼けした畳みたいな色をしたセダンが、頭から突っ込もうとしている

明らかに角度に無理があるので、運転手側のボディーがクロちゃんの右前バンパーをこすりそうではないか!!!

駆け寄った警備員の大声にも関わらず、その女性運転手はまだノロノロと前後に車を動かす。

妻が息を飲む中、「ストップーー!!」警備員が車の窓をたたいて、やっと動きを停めた。

(そんなギリギリの運転するときに窓も開けていないなんて)この時点で既に妻は憤っていた。

しかも、その運転席の女性(年の頃は妻と同じくらい)は、

「え~? どうすればいいんですか~?」

っと、すっとぼけた声で顔を出し、そこに困惑や緊張といったものはみじんも見受けられない。つまり事の重大さがわかっていないのだ。

だから、窓も開けずに、周囲の制止も聞かずに勝手な迷惑運転ができる。こういうドライバーって必ずいる。そして往々にして彼らの車は安くて汚い(泥だらけだったり、傷やへこみを放置してある)。

警備員さんの方が必死な形相で、

「この角度じゃ、無理だって」等々、

そのまま突き進もうとする女性を説得している。

その間、妻の頭の中は「どっちの手に出るか」の選択を急いだ。

以前子どもを扱っていた時の感覚で、タイプを見分ける。

1.注意の仕方が大声だったり強い口調だったりすると、それだけで萎縮して緊張の度合いも激しくなり、思わぬ行動に出てしまうタイプ。

2.論理的に説明しても状況が飲み込めず、ガツンと言われなければ目が覚めないタイプ。

(この女性、紛れもなく後者だわ)と思った瞬間、不本意だが妻は「その筋のおねーさん」に成りきる覚悟を決めた。

そうでなくとも最近、着付け教室に行く時は「黒のベンツ」と「着物」の組み合わせで完全に誤解され、「信号、変わったんだけど、進んでくれる?」程度のちょっとしたクラクションに、前の車がものすごい勢いで逃げていくこともしばしば。

今日は洋服だけど、全身コムデギャルソンの黒。車のこととなれば、目つきだって変わるのだ。

低ーーい声で「ちょっとおー、当てんじゃないわよー!!」と凄む

そこで初めてドライバーの顔がこわばり、警備員の指示でゆっくりバック。

「だいたい、その腕で頭から突っ込もうってのが間違いよ」

再度、ドライバーを睨むと、「鳩が豆鉄砲くらったような」とはこういう目のことか・・・と思わせるお顔をなさって口をパクパク、頭をペコペコ下げフラフラと別のスペースに向かって移動が始まった。

本物とは思われないまでも「なんちゃって その筋」とは思ってもらえたのか、ただの「たちのわるいオバさん」と思われたのかは不明。必要以上に謝る警備員さんには気の毒だったが、ここは成りきるしかない。厳しい表情のまま車に乗り込み、出口へ。

妻は、自分が慣れていない駐車場や、子どもや自転車が多い場所では必ず前の座席両側の窓を全開にする。音による情報も安全確保に大切だからだ。

出口へ向かう妻の耳に、「ガシャ」っという不穏な音が聞こえたのはその時だった。バックミラーには、遠くで変な畳色の車に駆け寄る警備員の姿

(あれって、私が怒鳴ったためにおなりになった「鳩さん豆鉄砲状態」のせいか?)と思いつつ、素早く退散する妻だった。

マリッジブルー

「マリッジブルー」という言葉がある。

妻はこれまでこの言葉の意味するところを間違えて理解していたことが、結婚を控えた友人と話していて最近判明した。

昔のメールの内容がその微妙な勘違いを証明してくれる。

以下、数年前夫婦が教会で二人だけの結婚式(誓約式)を行う前のメールのやり取り。

Kちゃん
> できればウェディング・ドレス着てね♪ うふ♪
> (だって、これも後々いいネタになるであろうと思うんだも~ん。でも、やっぱりヤだ?)


私は幼き頃から、似合いもしないくせにあんな服着て、人呼びつけて、さらに金巻き上げるのは絶対に「かだぎ」のすることではないと憤っておりました。なので、着ません。

だがしかーーし!実際、じゃあ、ちょとフォーマルな自分の服でアルバム入りの写真とったって、のちに何のネタになろうかと疑問視する声もあります。
笑いもとれぬようではお金をかける意味がないのでは・・・。
あー、揺れる女心、これがあの有名な「マリッジ・ブルー」

→実際はこういうことではないようだ(未だに明確には把握できていない)。
Kちゃんがこの時点で訂正しなかったのは冗談だと思っていたのだろうか。


この事は、小学生の頃のある失敗を思い出させた。

日直日誌にちょっと背伸びして「今日は事情があって、居残ることができないので○○さんに戸締まりを頼みます」と書きたかったのだが、

→実際は「今日は情事があって、居残ることができない・・・」となっていた。

あー、色っぽい小学生だっだ。