DVD1:モンシロチョウの交尾 | 幼妻日記

DVD1:モンシロチョウの交尾

妻:「あーーーん、ちがう!ちがう!私が見たいのはこんなDVDじゃないよーー!」

旦那様:「でもね、これもおもしろいよ。ほら、ちゃんと映倫の審査を受けた岩波の映画なんだよ」

妻:「ちがうよー、ちがう! おもしろくないっ・・・」




高校の時ステイしていたドイツのホストファミリーとは毎年誕生日やクリスマスに小さなプレゼントのやり取りが続いている妻。
昨年のクリスマスには、ステイ先の「市の紹介DVD」が送られてきた。
おそらく来年あたりに夫婦で訪独できるかもというメールのやり取りから先方が気を利かせて送ってくれたDVD、私もなつかしいあの町を映像で観たい・・・。

しかし

テレビやビデオを娯楽として利用する頻度が低い夫婦は、市場経済の動きとして「次世代光ディスク」で HDとブルーレイのどっちが優勢かという将来の話に興味はあっても、現代生活において人々が普通に使用している DVDは自分達にあまり関係ないものと受け止めてくらしていた。

よって自宅にDVDプレーヤーはない。パソコンもDVD対応ではない。超アナログだ。

たしか、愛車クロちゃんことEクラスを購入する時、限定車ならではというアメリカ製のステレオシステムが付いてて「DVDで映画観ると音が最高ですよー」と担当者が興奮していたのを思い出す。ならば車内で観ることができるのでは・・・。

結果、再生ボタンを押すと「このディスクは読み込めません」とあっさり却下。

友人によると、海外のものでも日本のコード?region2であれば普通のプレーヤーで観れるはずとのこと。ちゃんとregion2ってかいてある。ならば、たまたまクロちゃんのプレーヤーと相性が悪かったに違いない。この際、いい機会だからDVDプレーヤーを買ってしまおう!

ちょうど新しい冷蔵庫を購入すると決めていたので、ついでに「田村正和」と入力すればその関係の番組を自動的にハードに落としてくれるらしいソニーの「スゴ録」を購入。

電気店の配送部が来て設置していった。

そして、いよいよ「市の紹介DVD」を入れ「再生」ボタンを!!


画面には


「このディスクは再生できません」



がーーん、
このディスクを観たいだけのために買ったプレーヤーなのに、なんでだーーー。



うなだれる妻をなだめようと思ったのか、旦那様は「そうだ、僕もDVD持ってる」と自分の部屋から未開封のDVDボックスを運んでくる。

タイトル『たのしい科学教育映画シリーズ・生物編』

妻:「・・・」(沈黙)
旦那様:「ほら、他のDVDなら映るかどうかをチェックしないとね。入れてみて」

妻:(仕方なくディスクを入れ替え、トップメニューを出す)

ビデオと違って、各項目の頭出しが簡単というのがDVDの売りらしいが、妻が生まれて初めてみた「メニュー画面」は次のとおり

1.もんしろちょう-行動の実験的観察-
2.メダカの卵
3.生命の発生Ⅰ
4.生命の発生Ⅱ
5.海苔の話

こっこんなの、こんなの観たくて買ったんじゃないよーー。
旦那様:「いやー(ニコニコ)、買っておいてよかったな、1の『もんしろちょう』にして」

雄のもんしろ蝶がどうやって雌を見分けるかという実験、くり返されるモンシロチョウ蝶の交尾・・・
知人の出版関係者がふるーい教育映画をDVDにして発売したという

沈む妻、輝く旦那様の瞳。

「じゃ、5の『海苔の話』は?」

妻がききたかったのは、ドイツ語の懐かしい響きであって、玉音放送かと思うような音質での古いナレーションではない!

妻が観たかったのは、あの懐かしいヨーロッパの街並みであって、浜辺で海苔を広げる漁民達の白黒映像ではない!


ちがうっ!
ちがうよーー!
暴れる妻だった。

つづく